『メガネ男子』感想

青山陽一氏のサイン

メガネ男子
メガネ男子

ようやく『メガネ男子』の感想がまとまりました。ので掲載。この本についてホメているサイトが多い中、辛口気味の出来に。それでも良い人はいってみよー。


00.前置き(はじめに)
キーワード検索等で初めてこのblogに来られた方のために簡単に自己紹介しておきます。
この感想を書いている私(ななしの)は1998年からメガネくん好きサイト「メガネくんライフ」を運営しています。コミケでメガネ好きフリペを発行したことも。メガネ好き歴自体はもう18年くらいかな(笑)好みのメガネくんの属性は2次元3次元問いませんが、どちらかというと2次元寄りです。3次元メガネくん(メガネ男子)では渋谷系メガネや理系メガネが好みです。


ネット上では菊 地成 孔氏の写真引き上げ騒動など、本書編集サイドの不手際が取り沙汰されていますが私は単なる一読者なのでその辺のことはよく分かりません。のでいわゆる「ギョーカイの事情」についてはあまり考え(計算)に入れていません。あくまでも書籍本体+執筆者の方のblogからのみの印象で評価しました。


01.この本の中心コンテンツ「メガネ男子名鑑」について

全体的に、データベース(研究寄り)っていうよりカタログ(ミーハー寄り)な作り方ですね。世間の需要からしたらこの作り方の方がウケるんだろうけどデータベース的な物を期待していたので個人的には微妙。そして、「ここに載ってる全員が真のメガネ男子か?」と言われると正直疑問を感じ得ません。【決定保存版】とか書いてありますが、数年後に何人が消えてるんだろうナーと黒いことを思ってしまいましたヨ(苦笑)


そして、3次元メガネにさほど詳しくない私*1でも、この名鑑には重要なメガネくんが結構欠けてるような気がしました。「メガネ男子分類図(メガネマトリックス)」の方がバランス良いよ。こちらをそのまま名鑑にすれば良かったのに!まぁ、単に本人や事務所の許可が取れなかったのかもしれないけど……。でもイラストで載ってるメガネくんもいるしなぁ。その辺どうなんだろう。
(掲載されていないメガネ男子の一例として、はてなダイアリーのメガネ男子好き界隈で大人気らしいラーメンズ*2について『メガネ男子』のどのページでもほぼスルーされているという珍現象が起きています。巻末の「メガネ男子アンケート」においては頻出なのに)


あと、この名鑑が楽しめなかった理由のひとつに、「載ってる人数が多すぎて『このメガネ男子、好みかもー』と新規ファンに成り得るきっかけが掴めない」という点もあるかと思います。既に好きなメガネ男子の所は読んでて楽しいのですが、この名鑑をきっかけにして未知のメガネ男子に萌えることはムリな感じ。だって解説が短すぎてバックグラウンドが分からないんだもの。(もっと掲載数を絞って&解説を長くした方が面白い出来にはなったかも?)せっかくのカタログなのにイマイチ役に立たない(立てない)という切ないお話でした。


それと、現在のメガネ男子だけじゃなくて昔のメガネ男子も押さえて欲しかったです……過去の重要な(歴史に残るような)メガネ男子が載ってないのが不満。例えば、横山やっさん(高速ツッコミ)とか大江千里(元祖王子様系音楽メガネくん)とか。今の流行も大事だけど歴史をおさらいするのも大事じゃないのかネ?


02.面白かった記事

名鑑よりこちらのほうが良く出来てた印象。力作。こっちを推したい。

  • メガネ男子愛好女子サミット(対談)

面白かったです。私も喋りたい。でも他人をドン引きさせること必須だぜ(苦笑)
対談内で菊地氏が批判されてますが、彼は確かにトゥーマッチだけど私はそこが良いと思ってます*3。(でもその辺の好みは人それぞれだから、嫌いな人がいてもおかしく無いよ)他の対談メンバーの中には「私はトゥーマッチな所が好きだけど」ということを言ってる人もいたのに、その辺読みとれず「一方的に批判されてる!ウワーン!」と脊髄反射をしてしまった読者の方が結構いるみたいで残念。
あ、ところで、対談メンバーの皆さんは“アキバ系はダメ”なんですか?……読んでて「結局はしゃっつらかよ」(by本田透@『電波男』)という言葉が思わず頭をよぎった。メガネ男子愛好会代表のチョコラさん(達)はこのメガネ男子本についてblogで「メガネ男子は外見じゃないよ」という趣旨のことを発言してるけど、アキバ系を否定するということはまさにこの「外見」で否定してるのと同じなのでは。

まずメガネ男子の方々の「どうせイケメン限定だろ?どうせ俺には関係ないよ…」という決めつけ。これは本当にたくさん見ました。そういう方にこそ『メガネ男子』を読んでもらいたいんです!


「好きなものは好き」と言える気持ち抱きしめてたい(猛牛ママ)
http://mo-mama.com/log/2005/09/15-megane2.php

上に引用した箇所を本書より先に見ていたので「おお!」と思って期待してたんですけど、本書を読む限りではその辺について伝わってこなかった・あまり説得力を感じられなかったです。残念。先日の「こだわリング」におけるYOU様(思わず様付け)の神発言*4を越える物は無かった、ということで(アレレベルの神発言がもっとバンバン出てくるかと期待してたんだよ〜)本当にそう思ってるならそのへんをもっと強調しないとダメですよー!<強調してみた。


あと、“ぺ”さんは私も好きじゃないけど、「メガネ男子でもブームになる」という可能性を生み出したという点では評価したいです。

  • インタビュー記事

春風亭昇太さんのものが一番面白かったです。メガネが好き+効果的に小道具として活用してらっしゃる所が良い。
私は青山陽一ファンなので、彼のインタビューもまぁ面白かったけど、メガネの話ばかりじゃなくてそこから発展させてもっと音楽の話もしてやって下さいよ……>インタビュアーの方。あれではメガネ好きの青山ファンが彼のメガネしか目に入ってないみたいで、思わず恐縮してしまうファンの私 orz 「青山陽一はメガネだけじゃねえんだよ!」などと血反吐を吐きながらはてなの隅っこで愛を叫びたい。


03.面白くなかった記事

  • メガネ男子名鑑

(前述したのでここでは略)

  • マンガの世界のメガネ男子

内容の薄さに最もガッカリした記事。最近の2次元界での流行メガネくんにはさほど興味を惹かれない私だけどあのメガネもあのメガネもいないことにビックリだ。
そして人選に名誉白人ならぬ「名誉3次元メガネ男子」スメル(笑)を感じたひねくれ者の私です。個人的にはまったく面白いセレクトではなかった。つまんない。(そしてやっぱり真山@ハチクロ の魅力は分からん私。野宮のほうがまだ……)まぁ実際、編集者の「ガーリーじゃない。」という理由で漫画/アニメ界のメガネ男子(2次元系はメガネくん、3次元系はメガネ男子。と区分したい今日この頃)はほぼスルーされたようですね。(ソース:渡辺由美子さんのBBSの1429番の発言参照 )


……要はオタクな漫画のメガネくんは「2次元に抵抗がある人もいるし、オサレな本にしたいんだもん♪」って感じでスルーされたと受け取って良いかー!(大苦笑)記号的観点からいうと2次元(という記号界の住人である)メガネくんの方が明らかにメガネ分析しやすいんですけどね。萌え分析も2次元界の方が明らかに進んでいますし。2次元をスルーした時点で『メガネ男子』がイマイチ薄目の仕上がりになってしまったことは否めません。


しかし、薄目でオサレな仕上がりにしたことで本書は初心者(薄め)の女子にも手に取りやすい書籍になったんでしょうね。出版的には成功なんじゃないでしょうか。

  • コイツにメガネをかけさせたい

結局イケメンが好きなのかよ!という空気がチョットね。精神(ルビ:こころ)がメガネくんじゃないヤツにメガネをかけさせてもなぁ。


04.私が本書で最も萌えたページ

「いわみて」(99円均一)の作者“さと”さんの漫画の109ページの1コマ目、見づらそうに目を細めてる先生にオニ萌え。


05.全体的に見て

「外見じゃないよ」とblog等の宣伝では言われてても全体的に「やっぱ外見重視なのでは?」と思うようなトーンを本書からは感じました。
メガネくん/メガネ男子 ってのはなぁ、外見に萌えるんじゃなく、その内面に萌えるものなのですよ!<ここ最も重要です!


そんな最近の私ですが、「メガネで精神もメガネくん>非メガネでも精神がメガネくん>>>>>メガネ着用で精神が非メガネ」という感じです(<悟り?)そっそりゃメガネかけてたほうが嬉しいけどさ!
心がメガネくんじゃないメガネくんなんて必要ありませんヨ!駄メガネは帰れ!ドコに?


06.結論

メガネ男子の魅力はこの一冊では味わい尽くせないということが判りました。皆、自分だけのメガネ男子を捜す旅に出ましょう!既に独自の海図を持ってる人(オレとか)はいいけど、初心者にはこの本がとても役に立つことでしょう。(なんだ辛口なつもりだったけど結局ほめてるんじゃないか>私)「他人にあーだこーだ決められるんじゃなくて、あなたが感じたメガネが良いメガネなのですよ」ということで。


07.余談
……なんか評価厳しいですね。初心者〜中級者向けには良い本だし、充分濃いとは思うんですが、いかんせん前世紀から*5メガネくんマニアサイトを開いているような私には薄く感じられてしまって(苦笑)「メガネは知性の証拠」なんて言われてもそんなの当たり前すぎて*6。概念が普及することは喜ばしいですが、「今ハジメテ発見しました!」みたいに言われてもなぁ。昔からメガネくん愛好を口を酸っぱくして言ってた人間なので何だか、もにょる*7キモチにー。


まぁしかし、こういうアレな本(笑)が出版された事は画期的だと思います。次回は中級者〜上級者向けのもっと濃ゆーい本を希望。売れないかもしれないけど(<ダメじゃん!)


08.更に余談
実はこの『メガネ男子』の「○○したいメガネ男子」のページに私の拙投稿が掲載されていまス。私を知っている人はどの投稿だか一発で分かるかも。当ててみよう!当たっても何も出ませんが。


09.オマケ
本日の日記の画像は『メガネ男子』発売日当日(2005/09/15)に行われた青山陽一ライブ(柳田久美子の対バン@名古屋アポロシアター)で青山さん本人にサインして頂いたものです。世界に1冊だけ(多分)のアオヨーサイン入り本です(笑)
全体図
http://f.hatena.ne.jp/nanashino/20051004231418
拡大
http://f.hatena.ne.jp/nanashino/20051004231439


(追記※10/11 翌日分に『メガネ男子』感想追記してあります)
http://d.hatena.ne.jp/nanashino/20051005/p1

*1:特に最近のお笑い芸人系はさっぱり分かりません。かろうじてカンニング竹山くらいか

*2:私はラーメンズ見た事無いので彼らについては評価不能

*3:今回の菊地氏のネット上での騒ぎには正直ちょっとヒイたが。そんな私はいんたーねっと病?

*4:「外見がイマイチ眼鏡(中身がメガネくん)>>>イケメン眼鏡(中身がメガネくんじゃない)」という趣旨の発言。カッコ良すぎる。

*5:こう書くと仰々しくていいね。お局っぽい?言うな

*6:既に中世から「メガネ=知性」という概念はあったらしいですけどね。笑

*7:もにょる……背中がむずむずするような気持ちのこと。はっきりとした言葉にできない、感覚的なひっかかりを表すのに使われる。http://www.media-k.co.jp/jiten/wiki.cgi?%A1%E3%A4%E2%A1%E4#i39