オノ・ナツメ『リストランテ・パラディーゾ』

リストランテ・パラディーゾ (f×COMICS)
オノ・ナツメは好きな作家です。
http://www3.ocn.ne.jp/~orsi79/
別名義(basso.)で発行された『クマとインテリ』（茜新社刊）をジャケ買いして大当たり、それから今は亡きcomic seed!にてネット配信されてた『not simple』（ヨーロッパの芸術映画テイストのお話）を読んでかなりヤラレタ身としてはこの新刊も買っちゃうじゃ、あーりませんか。（byチャーリー浜）

感想は、ひとことで言うと「おっさんメガネ萌え！」に尽きる。うはは。私もこんな店のオーナーだったらナー（妄想にもほどがあります＞自分）小洒落た絵柄とオトナの話廻しが良いですのうー。

しかし、どうも今回の作品は期待したよりも（個人的に）イマイチだったのですよ。漫画力は上がってるし、話の作りもまた洗練されてきたなーと思うのに、どうしてだろ？考えた結果、私の倫理観では「子どもを捨てたお母さんの経緯」がNGでした、ってのが大きかったことが判明。あのお母さんは愛し方が不器用なんだろうけど……（最後のパーティーでのシーンは良かった）。それがどうしても頭の隅で引っかかっていて楽しめませんでした。トラウマ気質なのね。頭の固い女でゴメンナサイ。
あと、各キャラの描写がもっと欲しかったかな。
それと……これは仕方ないかもしれないけど、画風のせいでキャラが時々「あれ、この人誰だっけ？」と分かりづらいのがチョット。（表紙の見返しに登場人物のまとめがあって助かりました）絵自体はとても好きです。ステキ。

……って、文句付けるほど悪い作品ではないと思うんだけど、文句付けちゃうのはこの作者にすごい期待してるからな　ん　だ　よ　！オノ・ナツメはもっとやれば出来る子だと思ってるので。これから番外編がはじまるらしいのでそちらも楽しみです。

自分内ランキングでは
not simple＞インテリ＝LA QUINTA CAMERA＞パラディーソ　って感じかなー。
LA QUINTA CAMERAとnot simpleは小学館から新装版が出るらしいのでぜひどうぞ。not simpleはできれば1冊にまとめてほしい。（前は1巻のみ発行の時点で出版社（ぺんぎん書房）が倒産しちゃったのです）

クマとインテリ (EDGE COMIX)
パラディーソが気に入った「ボーイズラブ物でもOKよ」な人は次はコレを読むといいよ。ボーイズラブっていうよりおっさんラブだけど。BL臭はあまりキツくないです（BLというより外国のオサレなゲイ話っぽい）